消費者支援機構福岡と株式会社日本セレモニーの控訴審判決の確定について

差止請求詳細

事業分類

生活関連サービス業,娯楽業

事業者等名

株式会社日本セレモニー

事案の内容

 本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者支援機構福岡(原審原告・控訴人兼被控訴人。以下「一審原告」という。)が、冠婚葬祭の互助会を運営する株式会社日本セレモニー(原審被告・控訴人兼被控訴人。以下「一審被告」という。)に対し、一審被告が消費者との間で締結している冠婚葬祭互助会契約(割賦販売法上の前払式特定取引に当たる。以下「本件互助会契約」という。)において、契約の解約時に払戻金から所定の手数料が差し引かれるとの条項(以下「本件解約金条項」という。)を使用していることに関して、本件解約金条項は、消費者契約法(以下「法」という。)第9条第1号に規定する「平均的な損害」の額を超える違約金を定めるものに当たり、また、法第10条に規定する信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものにも当たると主張して、解約時に支払済金額から解約金を差し引いて消費者に対し返金する旨を内容とする意思表示等の差止めを求めた事案である。
 原判決(福岡地方裁判所が平成26年11月19日に言渡し)が、本件解約金条項は法第9条第1号により無効となる部分を含むとして、一審原告の請求を一部認容し、その余は理由がないとして棄却したところ、一審原告及び一審被告の双方が、それぞれ敗訴部分を不服として控訴した(平成26年12月2日及び同月3日付けで福岡高等裁判所に控訴)。

差止請求根拠条文

消費者契約法第9条第1号、消費者契約法第10条

結果

 控訴審(福岡高等裁判所)は、平成27年11月5日、原判決に付加・訂正を加えてこれを引用し、以下のように判断した上で、本件解約金条項は法第9条第1号により無効となる部分を含むものとはいえないとして、一審原告の請求を棄却した。(一審原告が平成27年11月17日付けで行っていた上告受理申立てについては、平成28年10月18日、上告審として受理しないとの決定がされ、差止請求を棄却した控訴審判決が確定した。)

当該裁判の主たる争点

ア 主たる争点
 本件解約金条項に定める解約手数料は「平均的な損害」(法第9条第1号)を超えているか。

イ 主たる争点についての裁判所の判断
 裁判所は、本件互助会契約の内容から、消費者契約法第9条第1号の「平均的な損害」には、契約が解除されることによって一審被告に生じる損失のうち、契約締結に要する費用、当該契約を締結したことによって生じる費用及び役務履行のための準備としてなされる当該会員の管理に要する費用が含まれ、役務提供に必要な費用や役務提供ができなくなったことによる逸失利益は損害に含まれないと解するのが相当と判断した。
 その上で、裁判所は、具体的な各種費用について検討した結果、原審では「平均的な損害」に該当しないとされた以下の費用も「平均的な損害」に該当するとして、一審被告に生じる「平均的な損害」の額は3万 4,712円に当該会員の入会期間1月につき 195 円を加えた額であると算定し、本件解約金条項に定める解約手数料は「平均的な損害」を超えているとは認められないと判示した。

① 会員募集に要する費用のうち人件費
② 会員募集に要する費用のうち営業用建物の使用に要する費用の70%
③ 会員管理に要する費用のうち人件費
④ 会員管理に要する費用のうち前受金の保全に要する費用
⑤ 会員管理に要する費用のうち会報誌の企画及び制作に要する費用
⑥ 会員管理に要する費用のうちパンフレットの作成費用
 (なお、一審被告は、会員が月掛金の支払を終えたときに当該会員に対して印紙を貼付して完納通知書を送付するための印紙代並びに結婚式場及び葬儀場の減価償却費も平均的な損害に含まれると主張したが、同主張は排斥されている。)

参考資料

-

判決日・事案終了日

平成28年10月18日

ステータス

終了

適格消費者団体

消費者支援機構福岡

お問い合わせ先

092-292-9301

その他

-

消費者庁公表資料

-

この事案の経過