全国消費生活相談員協会と東栄住宅設備株式会社との間で差止請求に関する協議が調ったことについて

差止請求詳細

事業分類

建設業

事業者等名

東栄住宅設備株式会社

事案の内容

 本件は、適格消費者団体である公益社団法人全国消費生活相談員協会(以下「全国消費生活相談員協会」という。)が、東栄住宅設備株式会社(以下、「東栄住宅設備」という。)に対し、同社が訪問販売によって締結する契約に使用する「住宅改善、対策及びリフォーム工事請負契約約款」の一部条項(以下「本件条項」という。)について、以下のとおり特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第10条第1項第4号(※1)及び消費者契約法第9条第1項第1号(※2)より無効であるとして、本件条項の該当部分の使用停止又は修正を求めた事案である。

(理由)
 本件約款の一部条項(改正前本件約款第3条2項①)は、「解約申出時に請負工事が未着工の場合は解約違約金は、請負代金の3割とする」と定めているところ、これは、訪問販売における契約の解除等に伴う損害賠償等の額の制限を定める特定商取引法第10条第1項第4号に該当し契約の締結及び履行のために通常要する費用の額を超える部分は無効である。また、消費者契約法第9条第1項第1号に該当し事業者に生ずべき平均的損害を超える部分は無効である。

(※1)特定商取引法
(訪問販売における契約の解除等に伴う損害賠償等の額の制限)
第十条 販売業者又は役務提供事業者は、第五条第一項各号のいずれかに該当する売買契約又は役務提供契約の締結をした場合において、その売買契約又はその役務提供契約が解除されたときは、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を購入者又は役務の提供を受ける者に対して請求することができない。
 一~三 [略]
 四 当該契約の解除が当該商品の引渡し若しくは当該権利の移転又は当該役務の提供の開始前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額
2 [略]

(※2)消費者契約法
(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効等)
第九条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。
 一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分
 二 [略]
2 [略]

(注)上記差止請求が行われた日現在の規定

差止請求根拠条文

特定商取引法、消費者契約法第9条第1項第1号

結果

 全国消費生活相談員協会は、令和5年7月27日、東栄住宅設備に対する申入れを開始し、東栄住宅設備により申入れの趣旨に沿う対応がなされたものとして、令和5年11月2日、申入れを終了した。

当該裁判の主たる争点

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参考資料

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判決日・事案終了日

令和5年11月2日

ステータス

終了

適格消費者団体

全国消費生活相談員協会

お問い合わせ先

03-5614-0543

その他

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消費者庁公表資料

この事案の経過