埼玉消費者被害をなくす会とLINE株式会社の間で差止請求に関する協議が調ったことについて

差止請求詳細

事業分類

情報通信業

事業者等名

LINE株式会社

事案の内容

 本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人埼玉消費者被害をなくす会(以下「埼玉消費者被害をなくす会」という。)が、LINE株式会社(以下「LINE」という。)に対し、同社の提供するアプリケーションの利用規約における以下の各条項(以下「本件条項」という。)について、消費者契約法(以下「法」という。)第10条(※)に規定する消費者契約の条項に該当し、無効であるとして、下記のとおり本件条項の使用停止又は適切な内容への修正を求めた事案である。

(本件条項)
ア 利用規約3.
 当社は、当社が必要と判断する場合、本サービスの目的の範囲内で、本規約を変更することができます。
イ 利用規約14.3
 お客様は、お客様のご自身の責任において本サービスを利用したことに起因して(当社がかかる利用を原因とするクレームを第三者より受けた場合を含みます。)、当社が直接的または間接的に何らかの損害(弁護士費用の負担を含みます。)を被った場合、当社の請求にしたがって直ちにこれを賠償しなければなりません。
ウ 利用規約6.3
 当社は、当社が必要と判断する場合、あらかじめお客様に通知することなく、いつでも本サービスの全部または一部の内容を変更することができます。

(理由)
ア 利用規約3.について
 本件条項のうち、利用規約3.は、利用規約を無制限に変更し得る権限をLINEに認めるものであり、定型約款の変更要件を定めた民法第548条の4の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重するものであり、かつ、民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものであり、法第10条に該当し無効である。
イ 利用規約14.3について
 本件条項のうち、利用規約14.3は、消費者の帰責性や相当因果関係を要件としないで、消費者の損害賠償責任を認めるものであり、法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の義務を加重するものであり、かつ、民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものであり、法第10条に該当し無効である。
ウ 利用規約6.3ついて
 本件条項のうち、利用規約6.3は、サービスの内容を無制限に変更し得る権限をLINEに認めるものであり、法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限するものであり、かつ、民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものであり、法第10条に該当し無効である。

(※)消費者契約法
(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)
第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。

(注)上記差止請求が行われた日現在の規定

差止請求根拠条文

消費者契約法第10条

結果

 埼玉消費者被害をなくす会は、令和4年10月31日、LINE社に対する申入れを開始し、LINEにより申入れの趣旨に沿う対応がなされたものとして、令和5年6月16日、申入れを終了した。

当該裁判の主たる争点

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参考資料

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判決日・事案終了日

令和5年6月16日

ステータス

終了

適格消費者団体

埼玉消費者被害をなくす会

お問い合わせ先

048-844-8972

その他

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消費者庁公表資料

この事案の経過