大分県消費者問題ネットワークと株式会社野田建工との間の裁判上の和解について

差止請求詳細

事業分類

建設業

事業者等名

株式会社野田建工

事案の内容

 本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人大分県消費者問題ネットワーク(以下「原告」という。)が、建設工事業、土木工事業、内装工事の請負等を業とする株式会社エヌケージー(令和7年1月31日付けで株式会社野田建工が株式会社エヌケージーを吸収合併したことにより消滅。株式会社エヌケージー及び株式会社野田建工を総称して以下「被告」という。)に対し、下記の理由により、被告が訪問販売(特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第2条第1項第1号)に該当する工事請負契約を締結し又は締結しようとする消費者に対し、クーリング・オフができない旨の告知をする行為は、特定商取引法第6条第1項第5号に掲げるクーリング・オフに関する不実告知に該当し、被告が、特定商取引法第58条の18第1項第1号ロ(※1)所定の事項のうち特定商取引法第6条第1項第5号に掲げる事項について、不実の告知を現に行い又は行うおそれがあるとして、特定商取引法第58条の18第1項第1号ロに基づき、①クーリング・オフに関する不実告知を行わないこと及び②予防措置として特定商取引法第4条又は第5条に基づき消費者に交付する書面にクーリング・オフに関する事項を記載することを求めた事案である(令和5年9月6日付けで大分地方裁判所に対して訴訟を提起)。

(理由)
ア 被告の役務提供の「訪問販売」該当性
被告の役務の提供が訪問販売に該当するための要件は、本件に即していえば、(ⅰ)被告が役務の提供の事業を営んでいること及び(ⅱ)被告が営業所等以外の場所で、役務を有償で提供する契約の申込みを受け、若しくは役務提供契約を締結して役務の提供を行っていることである。
 被告は、住宅リフォーム工事等を業としており、(ⅰ)に該当する。
 (ⅱ)に関して、被告は消費者の自宅を訪問した上で屋根瓦の修繕等の工事を提案し、消費者はその場で工事契約書に署名押印している。この点、消費者は自宅で屋根瓦の修繕等の工事という役務提供の勧誘を受けてその場で申込みをし、これに対して被告が承諾をしたものであるから、遅くとも消費者が自宅で工事契約書に署名押印した時点で役務提供契約が成立したといえる(なお別件訴訟(業務停止命令等処分取消請求事件)においても同様に認定されている)。したがって、被告の役務の提供は、被告の営業所等以外の場所である消費者宅において役務提供契約を締結して行うものであり、(ⅱ)に該当する。
 よって、被告の役務の提供は訪問販売に該当する。
イ クーリング・オフに関する事項についての不実告知
 被告の役務の提供が訪問販売に該当することから、特定商取引法第9条第1項が適用され消費者はクーリング・オフが可能であるが、被告はその行使を妨げるため消費者に対してクーリング・オフができない旨を告げており、このような被告の行為は、特定商取引法第58条の18第1項第1号ロ、第6条第1項第5号に掲げる事項についての不実告知に該当する。

(※1)特定商取引法
(訪問販売に係る差止請求権)
第五十八条の十八 消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第二条第四項に規定する適格消費者団体(以下この章において単に「適格消費者団体」という。)は、販売業者又は役務提供事業者が、訪問販売に関し、不特定かつ多数の者に対して次に掲げる行為を現に行い又は行うおそれがあるときは、その販売業者又は役務提供事業者に対し、当該行為の停止若しくは予防又は当該行為に供した物の廃棄若しくは除去その他の当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとることを請求することができる。
 一 売買契約若しくは役務提供契約の締結について勧誘をするに際し、又は売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除を妨げるため、次に掲げる事項につき、不実のことを告げる行為
  イ [略]
  ロ 第六条第一項第二号から第五号までに掲げる事項
  ハ [略]
 二~三 [略]
2 [略]

(注)上記の訴訟が提起された日現在の規定

差止請求根拠条文

特定商取引法

結果

 本件において、令和7年9月12日、原告と被告との間で、別添の和解条項を内容とする裁判上の和解が成立した。

当該裁判の主たる争点

-

参考資料

判決日・事案終了日

令和7年9月12日

ステータス

終了

適格消費者団体

大分県消費者問題ネットワーク

お問い合わせ先

097-521-2206

その他

-

消費者庁公表資料

この事案の経過