消費者機構日本と大東建託株式会社との間で差止請求に関する協議が調ったことについて

差止請求詳細

事業分類

建設業

事業者等名

大東建託株式会社

事案の内容

 本件は、消費者機構日本が、大東建託株式会社(以下「大東建託」という。)に対し、同社の建築工事請負契約に関する注文書記載の申込金の不返還を定めた条項並びに工事請負契約約款記載の注文者の中止権及び解除権を定めた条項について、消費者契約法第10条及び第9条第1号(※)の規定に該当するとして、その改善を求めた事案である。

ア 注文書記載の申込金の不返還について
 大東建託との集合住宅新築工事の請負契約に関する注文書に記載のうちの下記の部分は、申込撤回の場合にいかなる場合も申込金の返金請求をすることができないとするものであり、消費者契約法第10条の規定により無効であるので、当該条項を内容とする意思表示を行わず、またはこれを削除することを求める。 

 「本注文が新築工事請負契約に至らなかった場合、申込金は御社で要した諸経費等に充当されるものとし、申込金の返金請求はしない事を承諾します。」

イ 工事請負契約約款記載の注文者の中止権及び解除権について
 大東建託との集合住宅新築工事の請負契約に関する工事請負契約約款第12条のうちの下線部分は、契約成立後に契約を解除した場合、解除の時期を問わず契約時金を放棄させ、それに加えて同社の損害を負担させる規定となっている。これは、同社の損害額に関係なく同社が契約時金を取得し、その上で損害の補償を注文者にさせるという趣旨であり、同社に生じる平均的損害を超えた違約金を定めた条項といえる。そのため下線部分は、消費者契約法第9条第1号の規定により平均的損害を超える部分につき無効であるので、下線部分を内容とする意思表示を行わず、又はこれを削除することを求める。

 「第12条 注文者の中止権・解除権
 (1)注文者は、必要によって、書面を請負者に通知して工事を中止しまたはこの契約を解除することができるものとします。この場合、注文者は契約時金を放棄するとともに、これによって生ずる請負者の損害を補償するものとします。

(※)消費者契約法
(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効)
第九条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。
 一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分
 二 〔略〕

(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)
第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。

注)上記の差止請求が行われた日現在の規定

差止請求根拠条文

消費者契約法第9条第1号、消費者契約法第10条

結果

 平成30年3月5日及び同年5月10日、大東建託は、消費者機構日本に対し、上記の申入れに係る記載内容の改善について連絡した(別紙参照)。
 これを受けて、消費者機構日本は、申入れを終了した。

当該裁判の主たる争点

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参考資料

判決日・事案終了日

平成30年5月10日

ステータス

終了

適格消費者団体

消費者機構日本

お問い合わせ先

03-5212-3066

その他

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消費者庁公表資料

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この事案の経過