消費者支援機構福岡と株式会社I.D.Mとの間で差止請求に関する協議が調ったことについて

差止請求詳細

事業分類

教育,学習支援業

事業者等名

株式会社I.D.M

事案の内容

 本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者支援機構福岡(以下「消費者支援機構福岡」という。)が、株式会社I.D.M(以下「I.D.M」という。)に対し、同社の留学サポートに関する委託契約書(以下「本件契約書」という。)における下記の内容について、消費者契約法第9条第1号及び第10条(※)に規定する消費者契約の条項に該当するとして、以下のとおり申し入れた事案である。

ア 本件契約書第2条第3項において、所定の留学プログラム費用20万円について、「本契約締結と同時に当社が開始する手続指導および手続代行の対価としてお支払いいただく費用であるため、いかなる場合であっても返金できませんのでご了承ください」と定めた規定は、契約を中途解約した場合には違約金として機能し、解約時に一切返金しない内容となっている。当該規定は、消費者契約法第9条第1号に規定する消費者契約の条項に該当し、平均的な損害を超える部分は無効であるので、これを削除すること。

イ 本件契約書第11条第2項において、契約締結後出発前に解約した場合であっても、「留学プログラム費用はお支払いいただくことになり、または既に支払済みの場合も返金できません。また、違約金として1年分のサポート料の70パーセントをお支払いいただきます」と定めた規定は、出発前にもかかわらず解約後に全額返金しない内容となっているとともに、いまだ何らサポートを受けていない出発前の段階での損害賠償額としては過大な内容となっている。当該規定は、消費者契約法第9条第1号に規定する消費者契約の条項に該当し、平均的な損害を超える部分は無効であるので、これを削除すること。

ウ 本件契約書第12条第1項において、「本契約は、本契約締結日より、生徒様が当社の仲介した留学先を卒業ないし退学するまでの期間中は継続するものとし、いかなる理由であっても中途解約は承ることはできません」と定めた規定は、本契約が、民法上、準委任契約と考えられるところ、消費者の解除権を制限していることから、消費者の利益を一方的に害する内容となっている。当該規定は、消費者契約法第10条に規定する消費者契約の条項に該当し、無効であるので、これを削除すること。
また、本件契約書第12条第2項において、「お客様から本契約の解約の申し入れがあった場合でも在学期間中のサポート料はお支払いいただきますのでご留意下さい」と定めた規定は、消費者が解約の申入れをした場合に、実際の損害額に関係なく解約による返金を一切認めない内容となっている。当該規定は、消費者契約法第9条第1号に規定する消費者契約の条項に該当し、平均的な損害を超える部分は無効であるので、これを削除すること。

エ 本件契約書第14条第3項において、「お客様が本契約を解約された場合でも、当該年度中のサポート料はお支払いいただくことになり、または、既に支払済みの場合も返金できませんのでご留意ください」と定めた規定は、消費者が所定の解約の申入れをした場合に、実際の損害額に関係なく当該年度中のサポート料全額の支払を求めることから、解約による返金を一切認めない内容となっている。当該規定は、消費者契約法第9条第1号に規定する消費者契約の条項に該当し、平均的な損害を超える部分は無効であるので、これを削除すること。

オ 本件契約書第16条第2項において、生徒が同条第1項の規定に違反して現地スタッフから直接サポートサービスを受けた場合、「お客様は、当該違反行為を直ちに中止するとともに、当社に対して、本契約の他の条項に定めるサポート費用等とは別に違約金として金100万円を支払うものとします。」と定めた規定は、サポート費用等の支払に加えて、更に消費者に別途違約金100万円の支払を義務付けることから、消費者の義務を加重するものであり、信義則に反して消費者の利益を一方的に害する内容となっている。当該規定は、少なくとも違約金100万円の支払を義務付ける範囲では、消費者契約法第10条に規定する消費者契約の条項に該当し、無効であるので、これを削除すること。

(※)消費者契約法
(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効) 
第九条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。
 一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分
 二 〔略〕

(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)
第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。
注)上記の差止請求が行われた日現在の規定

差止請求根拠条文

消費者契約法第9条第1号、消費者契約法第10条

結果

 令和元年9月24日、I.D.Mは、消費者支援機構福岡に対し、別添資料のとおり本件契約書を改定することについて連絡した。
 これを受けて、令和元年12月19日、消費者支援機構福岡は、申入れの内容を踏まえた改定がなされたものとして、申入れを終了した。

当該裁判の主たる争点

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参考資料

判決日・事案終了日

令和元年12月19日

ステータス

終了

適格消費者団体

消費者支援機構福岡

お問い合わせ先

092-292-9301

その他

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消費者庁公表資料

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この事案の経過