京都消費者契約ネットワークと大和観光開発株式会社との間の控訴審判決について

差止請求詳細

事業分類

不動産業,物品賃貸業

事業者等名

大和観光開発株式会社

事案の内容

 本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人京都消費者契約ネットワーク(控訴人)が、不動産賃貸借等を業とする事業者である大和観光開発株式会社(被控訴人)に対し、敷引特約条項(建物賃貸借契約を締結又は合意更新をするに際し賃貸人が賃借人から受領する敷金又は保証金に関して、賃貸人が、建物賃貸借契約終了時において、その名目の如何にかかわらず、賃借人に返還すべき敷金又は保証金より無条件に一定額を控除する旨の条項をいう。)を使用するおそれがあるとして、当該条項を使用した意思表示を行うことの停止を求めるとともに、その従業員らに対し上記意思表示を行ってはならないこと等を周知徹底するための措置を求めた事案の控訴審である。
 原審では、被控訴人が当該条項を使用した意思表示を行うことの停止請求を認諾したが、その余の控訴人の請求は特定を欠く不適法な訴えであるとして却下されたため、控訴人が、本件控訴を提起し、原判決を取り消すとともに、①被控訴人は、従業員らに対して、当該条項を含む意思表示を行うための事務を行わないよう指示することという主位的請求に加え、②予備的請求として、従業員らに対して、当該条項を含む意思表示を行うための事務を行わないよう周知徹底させる内容を記載した書面の配布を行うよう求めた(平成21年2月10日、大阪高等裁判所に対して控訴。)。

差止請求根拠条文

消費者契約法第10条

結果

 裁判所は、平成21年6月16日、以下のとおり判決を言い渡した。

当該裁判の主たる争点

 ①について、裁判所は、控訴人の被控訴人に対する主位的請求は、事業者に特定の作為を求める給付の訴えであり、債務名義として執行によって実現される事業者の義務を控訴人は明らかにする必要があるが、控訴人の請求は、当該条項を使用した意思表示を行うための事務を行わないよう指示を求めるだけであり、書面によることの要否等、その方法、程度、内容が一義的には明らかでなく、どのような措置をとれば法的義務を履行したことになるのか明らかでないことから、請求の特定を欠き不適法であって、これを却下した原判決は相当であり本件控訴は理由がないとして棄却した。

 ②について、裁判所は、被控訴人がその従業員等に対して、当該条項を含む意思表示を行うための事務を行わないよう周知徹底していること等を主張しているのに対し、控訴人は、被控訴人が当該条項を含んだ意思表示を行うおそれがあることを基礎付ける事実を何ら主張せず、被控訴人が当該条項を含んだ意思表示を行う蓋然性が客観的に存在していると認めることはできないとして、控訴人の予備的請求を棄却した。

参考資料

-

判決日・事案終了日

平成21年6月16日

ステータス

終了

適格消費者団体

京都消費者契約ネットワーク

お問い合わせ先

075-211-5920

その他

-

消費者庁公表資料

-

この事案の経過