大分県消費者問題ネットワークと学校法人金澤学園の判決について

差止請求詳細

事業分類

教育,学習支援業

事業者等名

学校法人金澤学園

事案の内容

 本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人大分県消費者問題ネットワーク(以下「原告」という。)が、大学受験予備校(以下「予備校」という。)を設置・運営している学校法人金澤学園(以下「被告」という。)に対し、被告が一定期間経過後に在学契約が解除された場合には消費者に学費や講習会費等を全額返還しないとする不返還条項(以下「不返還条項」という。)のうち、解除後の期間(被告がいまだ役務を提供していない期間)に対応する授業料に関する部分は、消費者契約法(以下「法」という。)第9条第1号に定める「当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害」(以下「平均的損害」という。)を超える違約金を定めるものであり無効であるとして、上記不返還条項を内容とする意思表示等の差止めを求めた事案である(平成24年7月20日付けで、大分地方裁判所に訴えを提起)。

差止請求根拠条文

消費者契約法第9条第1号

結果

 大分地方裁判所は、平成26年4月14日、以下のとおり原告の請求を認容した。

当該裁判の主たる争点

 本件不返還条項の授業料に関する部分のうち、被告が運営する予備校の在学契約を締結した消費者が、当該予備校の入学規程に定める日より後に同契約を解除した場合に、被告が解除後の期間に対応する授業料相当額を返還しない旨の部分が、法第9条第1号の平均的損害を超えるものとして無効であるか否か。

 被告が運営する予備校においては、多くの希望者を、学力水準を問うことなく幅広く受け入れており、年度途中から入学する者も当然に予定している上、本来希望者を受け入れる限界として機能する各校舎の定員数も、十分にその機能を果たしていないため、一人の希望者との間で在学契約を締結したために別の一人の希望者との在学契約締結の機会が失われたといった関係は認められず、在学契約を締結した一人の消費者が在学生としての地位を取得した後にこれを解除した場合、当該予備校は、これにより幾らかの損害を被ることがあり得るとしても、中途退学者を受け入れること、その他の事前の対策を講じることは十分に可能であり、少なくとも、不返還条項が定めるような当該消費者が納付した解除後の期間(いまだ役務を提供していない期間)に対応する授業料の全額について、一般的、客観的に損害を被ることはない。
 これに対し、被告は、最高裁平成18年11月27日第二小法廷判決(民集60巻9号3437頁)が判断した大学の入学者の場合と同じく、予備校の入学者についても4月1日以降に在学契約を解除した場合には解除後の期間に対応する授業料相当額の損害を被る旨の主張をしたが、
・ 学力水準を問うことなく受け入れる予備校においては、中途入学者を受け入れることの困難は、大学の場合とは全く異なること
・ 予備校と在学契約を締結する者は、実際に当該予備校に入学することを前提として手続を行うのが通常であるが、在学者が在学契約を解除するのは、自宅等での勉強に切り替える場合等といった予備校としても当然に予定している事情等によると考えられること
・ 被告の運営する予備校の入学規程において、被告が主張する基準日である4月1日以降であっても、規程に定められた日までの間に在学契約が解除された場合には、授業料の全額を返還する旨を定めていること、また、授業開始が被告が主張する基準日である4月1日より相当後であること
から被告の主張は採用されなかった。
 したがって、本件不返還条項は、法第9条第1号に該当し、平均的損害を超える部分が無効となるとし、本件不返還条項を内容とする意思表示の差止めを認めた。

参考資料

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判決日・事案終了日

平成26年4月14日

ステータス

終了

適格消費者団体

大分県消費者問題ネットワーク

お問い合わせ先

097-521-2206

その他

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消費者庁公表資料

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この事案の経過