あいち消費者被害防止ネットワークと学校法人モード学園の判決について

差止請求詳細

事業分類

教育,学習支援業

事業者等名

学校法人モード学園

事案の内容

 本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人あいち消費者被害ネットワーク(以下「原告」という。)が、学校法人モード学園(以下「被告」という。)に対し、被告が設置し運営している専門学校である「名古屋医専」において、在学契約が解除される時期にかかわらず、AO入試、推薦入試、専願での一般・社会人入試及び編入学によって入学を許可された場合、納入後の学費を一切返還しないとの不返還条項(以下「本件不返還条項」という。)が定められていることに関して、本件不返還条項は、消費者契約法(以下「法」という。)第9条第1号により無効であるとして、法第12条第3項に基づいて、本件不返還条項を内容とする意思表示等の差止めを求めた事案である(平成23年10月4日付けで、名古屋地方裁判所に対して訴えを提起)。

差止請求根拠条文

消費者契約法第9条第1号

結果

 名古屋地方裁判所は、平成24年12月21日、以下の理由により原告の請求を認容した。

当該裁判の主たる争点

・本件不返還条項について法第9条第1号の適用の有無

 まず、被告と在学契約を締結した学生が納付した学費(授業料、教育充実費、施設・設備維持費各1年分及び教材費)に係る本件不返還条項の性質については、入学辞退(在学契約の解除)によって被告は被る可能性のある授業料等の収入の逸失その他有形、無形の損失や不利益等を回避、てん補する目的、意義を有するほか、早期に学力水準の高い学生をもって適正な数の入学予定者を確保するという目的に資する側面も有するのであり、在学契約の解除に伴う損害賠償の予定又は違約金の定めの性質を有するものと解するのが相当であるとした。
 そして、在学契約の解除と授業料等の不返還特約の効力について、大学の場合についての最高裁判所平成18年11月27日判決が、「入学試験要項の定めにより、その大学、学部を専願あるいは第1志望とすること、又は入学することを確約することができることが出願資格とされている推薦入学試験(これに類する入学試験を含む。)に合格して当該大学と在学契約を締結した学生については、…(中略)…学生が在学契約を締結した時点で当該大学に入学することが客観的にも高い蓋然性をもって予測されるものというべきであるから、当該在学契約が解除された場合には、その時期が当該大学において当該解除を前提として他の入学試験等によって代わりの入学者を通常容易に確保することができる時期を経過していないなどの特段の事情がない限り、当該大学には当該解除に伴い初年度に納付すべき授業料等及び諸会費等に相当する平均的な損害が生ずるものというべきである。」と判示していることを指摘し、専門学校である名古屋医専についてもこの判断基準が妥当するとした。
 その上で、本件のAO入試、推薦入試及び専願での一般・社会人入試については、当該学生が在学契約を締結した時点で名古屋医専に入学することが客観的にも高い蓋然性をもって予測されるものというべきであるけれども、少なくとも2次募集の最終試験日までに在学契約が解除された場合には、同医専は、解除者の代わりの一定水準を持った入学者を通常容易に確保することができるのであり、前記最高裁判所判決のいう特段の事情があるから、被告に生ずべき平均的な損害は存しないと認められ、本件不返還条項のうち、2次募集の最終試験日までに解除された場合について本件学費を返還しないとする部分は、法第9条第1号に該当し無効となるとした。
 また、編入学についても、当該学生が在学契約を締結した時点で名古屋医専に入学することが客観的にも高い蓋然性をもって予測されるものというべきであるけれども、編入学試験は随時実施されており、少なくとも入学年度の2月1日までに在学契約を解除されれば、もともと出願者自体が少ないとしても、3月31日までには2か月の余裕があり、同医専は、解除者の代わりの一定水準を持った入学者を通常容易に確保することができるのであり、前記最高裁判所判決のいう特段の事情があるから、被告に生ずべき平均的な損害は存しないと認められ、本件不返還条項のうち、入学年度の2月1日までに解除された場合について本件学費を返還しないとする部分は、法第9条第1号に該当し無効となるとした。

参考資料

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判決日・事案終了日

平成24年12月21日

ステータス

終了

適格消費者団体

消費者被害防止ネットワーク東海

お問い合わせ先

052-734-8107

その他

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消費者庁公表資料

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この事案の経過