消費者被害防止ネットワーク東海とRIZAP株式会社との間の差止請求に関する協議が調ったことについて

差止請求詳細

事業分類

生活関連サービス業,娯楽業

事業者等名

RIZAP株式会社

事案の内容

 本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者被害防止ネットワーク東海(以下「消費者被害防止ネットワーク東海」という。)が、RIZAP株式会社(以下「RIZAP」という。)に対し、RIZAPが運営するフィットネスクラブ「chocoZAP」における各種サービスの利用規約の下記条項(以下「本件条項」という。)について、消費者契約法(以下「法」という。)第9条第1項第2号及び第10条(※1)に規定する消費者契約の条項に該当し無効であるとして、本件条項の削除を求めた事案である。

(本件条項)
月額プラン会員に関する利用規約
第4条【退会】
 1.会員は、専用アプリにおいて退会手続を行うことにより、退会することができる。ただし、以下の場合は退会手続きを行うことができない。
(中略)
(2)利用料の引き落としエラー等の未払いがある場合
(未払いが解消されるまで退会不可)
(理由)
ア 法第10条該当性について
 RIZAPが会員との間で行う施設利用契約は、民法上の準委任契約(民法第656条)にあたると解されるところ、準委任契約においては各当事者がいつでもその解除をすることができるものと定められており(民法第651条第1項)、未払債務が存在する場合であっても、契約の解除が妨げられるものではない。しかし、本件条項においては、会員の退会、すなわち会員がRIZAPとの契約を解約するための要件として、会員による専用アプリにおける解約の意思表示に加えて、会員がRIZAPに対して未払料金を支払うことを要求しており、このような条項は、民法第651条第1項の適用による場合に比して会員の権利を制限、もしくは会員の義務を加重する条項である。また、未払料金の支払いが完了していない限り解約ができず、月額会費の支払義務が発生し続けるものとすることには合理的な理由がなく、民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものといえる。
 そのため、本件条項は法第10条に該当し、無効である。
イ 法第9条第1項第2号該当性について
 本件条項によれば、会員に未払料金が存在する場合に、たとえ会員が解約の意思表示をしたとしても、当該未払料金を支払わない限り月額会費が発生し続けることになる。これは、実質的には料金未払に対する損害賠償の予定ないし違約金を定めるものであり、未払金額によってはその金額に年14.6%を乗じた金額を超えることとなる。
 そのため、年14.6%を超える部分については、法第9条第1項第2号に該当し、無効である。

(※1)消費者契約法
(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効等)
第九条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。
 一 [略]
 二 当該消費者契約に基づき支払うべき金銭の全部又は一部を消費者が支払期日(支払回数が二以上である場合には、それぞれの支払期日。以下この号において同じ。)までに支払わない場合における損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、支払期日の翌日からその支払をする日までの期間について、その日数に応じ、当該支払期日に支払うべき額から当該支払期日に支払うべき額のうち既に支払われた額を控除した額に年十四・六パーセントの割合を乗じて計算した額を超えるもの 当該超える部分
2 [略]
(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)
第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。

注)上記の差止請求が行われた日現在の規定

差止請求根拠条文

消費者契約法第9条第1項第2号、消費者契約法第10条

結果

 消費者被害防止ネットワーク東海は、令和7年7月30日、RIZAPに対する申入れを開始し、RIZAPにより申入れの趣旨に沿う対応がなされたものとして、同年12月16日、申入れを終了した。

当該裁判の主たる争点

-

参考資料

-

判決日・事案終了日

令和7年12月16日

ステータス

終了

適格消費者団体

消費者被害防止ネットワーク東海

お問い合わせ先

052-734-8107

その他

-

消費者庁公表資料

この事案の経過