消費者機構日本と株式会社マーケットエンタープライズとの間の差止請求に関する協議が調ったことについて

差止請求詳細

事業分類

卸売業,小売業

事業者等名

株式会社マーケットエンタープライズ

事案の内容

本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者機構日本(以下「消費者機構日本」という。)が、株式会社マーケットエンタープライズ(以下「マーケットエンタープライズ」という。)に対し、マーケットエンタープライズが使用する売買契約条項のうち下記条項(以下「本件条項」という。)について、消費者契約法第9条第1項第1号及び第10条(※1)に規定する消費者契約の条項に該当し無効であるとして、撤廃又は改定を求めた事案である。

(本件条項)
① 解除に際して、本契約の履行に要した費用相当額のほか、違約金として金100万円を支払う旨を定める条項
② 履行が不能ないし不能であることが確実であるとは言えない場合まで、マーケットエンタープライズの無催告解除を認める旨を定める条項

(理由)
ア 本件条項①について
 本件条項①は、マーケットエンタープライズの売買契約条項第13条第1項から第4項まで又は第14条により契約が解除となった場合に、契約の履行に要した費用相当額に加えて違約金100万円を消費者が支払うことを規定しているところ、契約の履行に要した費用相当額だけで、同種の消費者契約の解除に伴い事業者に生ずべき平均的な損害の額を充分に満たすものであり、これに加えて定められている違約金100万円は上記平均的な損害の額を超えることは明らかである。
 よって、本件条項①のうち違約金100万円を定める部分は、消費者契約法第9条第1項第1号に規定する平均的な損害の額を超える部分に該当し無効である。

イ 本件条項②について
 売買契約条項第13条第5項において、第2条記載の車両の引渡しをしない場合、第3条記載の名義変更に必要な書類の引渡しを完了しない場合及び第3条第3項記載の不足金額を支払わない場合にマーケットエンタープライズが無催告解除をできるとされている。また、売買契約条項第13条第2項において、抵当権等の担保権又は差押え等を解除できなかった場合にマーケットエンタープライズが無催告解除できるとされているほか、売買契約条項第14条(1)においても、本契約の一つでも違反した場合にマーケットエンタープライズが無催告解除をできるとされている。
 民法上、債務不履行解除については解除に先立ち相当の期間を定めて催告をすることを原則とし(民法第541条本文)、無催告解除ができるのは債務の履行が不能ないし不能となることが確実な場合に例外的に認められていること(民法第542条)から、本件条項②は、公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限する消費者契約の条項に該当する。
 また、本件条項②は、何らかの事情があって、消費者が車両や書類の引渡し、不足金額の支払いが遅れる場合、抵当権等の解除が遅れる場合、些細な契約違反である場合のように契約当事者間の信頼関係が直ちに破壊されているとは言えないときにも、その事情を考慮することなく、契約解除を認めることとなるため、信義則に反して消費者の利益を一方的に害する条項に該当する。
 よって、本件条項②は、消費者契約法第10条に規定する消費者契約の条項に該当し無効である。

(※1)消費者契約法
(消費者が支払う損害賠償の額を予定する条項等の無効等)
第九条 次の各号に掲げる消費者契約の条項は、当該各号に定める部分について、無効とする。
 一 当該消費者契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、又は違約金を定める条項であって、これらを合算した額が、当該条項において設定された解除の事由、時期等の区分に応じ、当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの 当該超える部分
 二 [略]
2 [略]

(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)
第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。

注)上記の差止請求が行われた日現在の規定

差止請求根拠条文

消費者契約法第9条第1項第1号、消費者契約法第10条

結果

消費者機構日本は、令和7年5月19日、マーケットエンタープライズに対する申入れを開始し、マーケットエンタープライズにより申入れの趣旨に沿う対応がなされたものとして、同年11月25日、申入れを終了した。

当該裁判の主たる争点

-

参考資料

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判決日・事案終了日

令和7年11月25日

ステータス

終了

適格消費者団体

消費者機構日本

お問い合わせ先

03-5212-3066

その他

-

消費者庁公表資料

この事案の経過