消費者被害防止ネットワーク東海と株式会社Coo&RIKU東日本との間の差止請求に関する協議が調ったことについて

差止請求詳細

事業分類

卸売業,小売業

事業者等名

株式会社Coo&RIKU東日本

事案の内容

 本件は、適格消費者団体である特定非営利活動法人消費者被害防止ネットワーク東海(以下「消費者被害防止ネットワーク東海」という。)が、株式会社Coo&RIKU東日本(以下「Coo&RIKU東日本」という。)に対し、Coo&RIKU東日本が譲渡犬・猫ペットフード定期購入サービス(以下「本サービス」という。)で使用する「ペットフード定期購入サービスご利用規約(兼重要事項説明書)」の下記条項(以下「本件条項」という。)について、消費者契約法(以下「法」という。)第8条第1項第1号及び第3号並びに第10条(※1)に規定する消費者契約の条項に該当し無効であるとして、本件条項の削除又は修正を求めた事案である。

(本件条項)
ア 第8項 本サービスの中止、中断
 当社は、次の各号に該当する場合、会員さまに事前に通知せず、本サービスの提供を中止又は中断できるものとします。この場合に会員さまに生じた損害(逸失利益を含む)について、当社は一切責任を負わないものとします。(ただし、第2号及び第3号については当社に故意又は重大な過失がある場合はこの限りではありません。)
(1)戦争…、停電その他の非常事態により、本サービスの提供が通常どおりできなくなった場合
(2)本サービスの運営が困難な重大な事由が生じたとき
(3)その他、当社が本サービスの運営上、一時的な中断が必要と判断した場合
イ 第9項 本サービスの変更、終了
(1)当社は、会員さまに事前に通知せず、本サービスの内容又は本サービス提供条件の変更(対象商品の変更、お届け日の変更などを含みますがこれらに限られません)を行うことがあり、又は本サービスを停止又は終了することがあります。
(2)当社は、事項の変更により会員さまに損害(逸失利益を含みます)が生じた場合でも、これらについて一切責任を負わないものとします。
(3)略
ウ 第12項 合意管轄
 会員さまと当社の間で、本サービス又は本規約に関連して訴訟の必要が生じた場合、当社の本社所在地を管轄する地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とします。

(理由)
ア 本件条項第8項第2号及び第3号は、Coo&RIKU東日本に本サービスの運営が困難となる重大な事由が生じた場合及びCoo&RIKU東日本が本サービスの運営上、一時的な中断が必要と判断した場合に、会員に生じた損害について、Coo&RIKU東日本の責任を免除する条項である。このような条項は、Coo&RIKU東日本に過失がある場合であってもCoo&RIKU東日本の免責を認めるもので、事業者の債務不履行又は不法行為に基づく損害賠償責任を免除する条項の無効について規定した法第8条第1項第1号及び第3号に規定する消費者契約の条項に該当し無効である。
イ 本件条項第9項第1号は、会員に対し、事前に通知することなく、本サービスの内容を一方的に変更することができ、また、一方的に本サービスを停止・終了することができる旨を定める条項であり、通常のサービス利用規約において履行されるべき事業者の債務を一方的にCoo&RIKU東日本が放棄することができる条項となっている。このような条項は、法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限する条項であって、民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものであるから、本件条項第9項第1号は、法第10条に規定する消費者契約の条項に該当し無効である。
 また、本件条項第9項第2号は、Coo&RIKU東日本の過失により会員に損害が生じた場合であっても、Coo&RIKU東日本の一切の責任を免除する条項となっており、本件条項第8項第2号及び第3号と同様の理由により、法第8条第1項第1号及び第3号に規定する消費者契約の条項に該当し無効である。
ウ 本件条項第12項について、民事訴訟法第5条は、個別事件における請求や当事者の属性を考慮して、事件と最も密接に関連する土地について特別裁判籍を定めており、原告の提訴上の便宜が図られているところ、Coo&RIKU東日本の事業においては、全国にペットショップCoo&RIKU東日本を200店舗以上展開し、日本全国の消費者との間で紛争が生じる可能性があるにもかかわらず、本件条項第12項は、他の管轄を排除して東京地方裁判所を専属管轄とするものとなっている。このような条項は、民事訴訟法5条の適用による場合に比して消費者の権利を制限する条項であって、民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものであるから、本件条項第12項は、法第10条に規定する消費者契約の条項に該当し無効である。

(※1)消費者契約法
(事業者の損害賠償の責任を免除する条項等の無効)
第八条 次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。
 一 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項
 二 [略]
 三 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項
 四 [略]
2・3 [略]
(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)
第十条 消費者の不作為をもって当該消費者が新たな消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたものとみなす条項その他の法令中の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比して消費者の権利を制限し又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とする。

注)上記の差止請求が行われた日現在の規定

差止請求根拠条文

消費者契約法第8条第1項第1号、消費者契約法第8条第1項第3号、消費者契約法第10条

結果

 消費者被害防止ネットワーク東海は、令和7年2月18日、Coo&RIKU東日本に対する申入れを開始し、Coo&RIKU東日本により申入れの趣旨に沿う対応がなされたものとして、同年9月24日、申入れを終了した。

当該裁判の主たる争点

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参考資料

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判決日・事案終了日

令和7年9月24日

ステータス

終了

適格消費者団体

消費者被害防止ネットワーク東海

お問い合わせ先

052-734-8107

その他

-

消費者庁公表資料

この事案の経過