全国消費生活相談員協会とLadybirdとの間の差止請求に関する協議が調ったことについて

差止請求詳細

事業分類

生活関連サービス業,娯楽業

事業者等名

株式会社Ladybird

事案の内容

 本件は、適格消費者団体である公益社団法人全国消費生活相談員協会(以下「全国消費生活相談員協会」という。)が、株式会社Ladybird(旧:株式会社メディビューティー)(以下「Ladybird」という。)に対し、Ladybirdが使用する、契約書面(以下「本件契約書面」という。)及び概要書面(以下「本件概要書面」という。)が特定商取引に関する法律(以下「特定商取引法」という。)第49条第7項(※1)及び消費者契約法第8条の2(※2)に、公式サイトに掲載されている利用規約(以下「本件利用規約」という。)が消費者契約法第8条第1項第1号及び第3号に、ウェブサイト上の表示が有利誤認表示(不当景品類及び不当表示防止法(以下「景品表示法」という。)第34条第1項第2号(※3))に該当していることから、特定商取引法第58条の22第2項第2号、消費者契約法第12条第3項及び景品表示法第34条第1項第2号に基づき、該当する条項の使用の停止や是正を求めた事案である。

(申入れの対象)
① 本件契約書面及び本件概要書面のうち、「有効期限(有効期間)」を徒過した後の「施術保証期間」内に特定商取引法に基づく中途解約及び精算ができない旨を定めた条項
② 本件概要書面のうち、契約時に適用された各種割引が解約時に無効となる旨を定める条項
③ 本件契約書面のうち、中途解約時に、ローンに関する分割手数料をローン解約手数料名目で支払う旨を定める条項
④ 本件概要書面のうち、関連商品のみの解約を一切禁止する旨を定める条項
⑤ 本件利用規約のうち、利用者に生じた損害についてLadybirdが一切の責任を負わない旨を定める条項
⑥ ウェブサイト上の表示のうち、施術費用が分割払いとなる月額コースに関して、消費者に初回の施術代の1回分が無料であると誤認させる可能性がある表示
⑦ 本件契約書面に事務手数料等の諸費用の額が明示されていないこと
⑧ 本件契約書面のうち、中途解約時における返還された関連商品の時価について、一律に販売価格の40%を基準とする条項

(理由)
ア ①について、「有効期限」と「施術保証期間」との言葉を使い分け、「有効期限」の経過後は中途解約ができないものとして精算の対象外とすることは、本来精算の対象とされるべき有償の「役務の提供期間」内であるにも関わらず、中途解約が可能な期限を「有効期限」に限定することにより「有効期限」経過後の「施術保証期間」内における未施術部分の返金を免れるものである。そのため、特定商取引法第49条第2項所定の精算ルールを潜脱する消費者に不利な条項といえ、特定商取引法第49条第7項により無効である。
イ ②について、解除があった場合のみ適用される高額の対価を定める特約は実質的に損害賠償額の予定として機能するものであり、無効であるとされているところ、中途解約に伴い、契約締結時に合意して適用した割引を全て無効とし、精算金から控除又は返金を求めることは、実質的には、損害賠償額の予定として機能するものである。そのため、特定商取引法第49条第2項所定の精算のルールに違反する消費者に不利な条項といえ、特定商取引法第49条第7項により無効である。
ウ ③について、実質的に、契約締結時点において契約者特典として安い契約単価で積算する一方で、解除があった場合にのみ適用される高額の単価を定めて当該金額で精算をする場合と同趣旨の特約と解されることから、損害賠償額の予定又は違約金の定めとして機能するものであり、特定商取引法第49条第2項に違反する消費者に不利な条項といえ、特定商取引法第49条第7項により無効である。
エ ④について、Ladybirdから提供された関連商品に不具合があるような契約に適合しない商品が提供された場合等であっても、Ladybirdの債務不履行により生じた消費者の解除権を放棄させるものであり、消費者契約法第8条の2に該当し、無効である。
オ ⑤について、一律に、事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項といえ、消費者契約法第8条第1項第1号及び同第3号に該当し、無効である。
カ ⑥について、施術費用が分割払いとなる月額コースについて、初月の支払いが0円であると表示されているものの、実際は翌月から支払いがスタートするということを意味しているに過ぎず、一般消費者に対して初回の施術代の1回分が無料であると実際のものよりも著しく有利であると誤認させる表示といえることから、景品表示法第34条第1項第2号に該当する。
キ ⑦について、本件契約書面にて「その他事務手数料、カルテ作成、写真撮影費などの諸費用がかかる場合があります。」とされているにもかかわらず、費用についてどこにも記載されていない。契約時に初期費用として同費用が支払われているのであれば、本件契約書面は特定商取引法第42条第2項第2号が定める記載事項の一部が欠けた違法な書面である。また、支払われていないのであれば、必要のない役務提供費用の支払いを消費者に求めるものとして特定商取引法第49条第2項第1号に違反する特約といえ、同条第7項に該当し無効となる。
ク ⑧について、契約後間もない時期に中途解約をする場合などは、返還時の商品が全くの未使用の状態か、ほとんど使用されていない状態であることがあり得るなど、一律に販売価格の40%を基準とすることが明らかに不相当な場合が想定され得る。そのため、⑧は、消費者に対して通常の使用料に相当する額を超える金額を請求するものであり、特定商取引法第49条第6項に反する消費者に不利な条項といえ、同条第7項に該当し、無効である。

(※1)特定商取引に関する法律(特定商取引法)
(特定継続的役務提供における書面の交付)
第四十二条
1 [略]
2 役務提供事業者は、特定継続的役務提供契約を締結したときは、遅滞なく、主務省令で定めるところにより、次の事項について当該特定継続的役務提供契約の内容を明らかにする書面を当該特定継続的役務の提供を受ける者に交付しなければならない。
一 [略]
二 役務の対価その他の役務の提供を受ける者が支払わなければならない金銭の額
三~七 [略]
3~5 [略]
第四十九条
1 [略]
2 役務提供事業者は、前項の規定により特定継続的役務提供契約が解除されたときは、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を特定継続的役務の提供を受ける者に対して請求することができない。
一 当該特定継続的役務提供契約の解除が特定継続的役務の提供開始後である場合 次の額を合算した額
イ 提供された特定継続的役務の対価に相当する額
ロ 当該特定継続的役務提供契約の解除によって通常生ずる損害の額として第四十一条第二項の政令で定める役務ごとに政令で定める額
二 当該特定継続的役務提供契約の解除が特定継続的役務の提供開始前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額として第四十一条第二項の政令で定める役務ごとに政令で定める額
3~5 [略]
6 関連商品の販売を行つた者は、前項の規定により関連商品販売契約が解除されたときは、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を特定継続的役務提供受領者等に対して請求することができない。
一 当該関連商品が返還された場合 当該関連商品の通常の使用料に相当する額(当該関連商品の販売価格に相当する額から当該関連商品の返還されたときにおける価額を控除した額が通常の使用料に相当する額を超えるときは、その額)
二 当該関連商品が返還されない場合 当該関連商品の販売価格に相当する額
三 当該契約の解除が当該関連商品の引渡し前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額
7 前各項の規定に反する特約で特定継続的役務提供受領者等に不利なものは、無効とする。
(特定継続的役務提供に係る差止請求権)
第五十八条の二十二
1 [略]
2 適格消費者団体は、役務提供事業者、販売業者又は関連商品の販売を行う者が、特定継続的役務提供等契約又は関連商品販売契約を締結するに際し、不特定かつ多数の者との間で次に掲げる特約を含む特定継続的役務提供等契約の申込み又はその承諾の意思表示を現に行い又は行うおそれがあるときは、それぞれその役務提供事業者、販売業者又は関連商品の販売を行う者に対し、当該行為の停止若しくは予防又は当該行為に供した物の廃棄若しくは除去その他の当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとることを請求することができる。
一 [略]
二 第四十九条第七項(第四十九条の二第三項において準用する場合を含む。)に規定する特約

(※2)消費者契約法
(事業者の損害賠償の責任を免除する条項等の無効)
第八条 次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。
一 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又 は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項
二 [略]
三 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除し、又は当該事業者にその責任の有無を決定する権限を付与する条項
四 [略]
2・3 [略]
(消費者の解除権を放棄させる条項等の無効)
第八条の二 事業者の債務不履行により生じた消費者の解除権を放棄させ、又は当該事業者にその解除権の有無を決定する権限を付与する消費者契約の条項は、無効とする。

(※3)不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)
(差止請求権等)
第三十四条 消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第二条第四項に規定する適格消費者団体(以下「適格消費者団体」という。)は、事業者が、不特定かつ多数の一般消費者に対して次の各号に掲げる行為を現に行い又は行うおそれがあるときは、当該事業者に対し、当該行為の停止若しくは予防又は当該行為が当該各号に規定する表示をしたものである旨の周知その他の当該行為の停止若しくは予防に必要な措置をとることを請求することができる。
一 [略]
二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると誤認される表示をすること。
2・3 [略] 

注)上記の差止請求が行われた日現在の規定

差止請求根拠条文

特定商取引法、消費者契約法第8条第1項第1号、消費者契約法第8条第1項第3号、消費者契約法第8条の2、不当景品類及び不当表示防止法

結果

全国消費生活相談員協会は、令和5年11月30日、Ladybirdに対する申入れを開始し、Ladybirdにより申入れの趣旨に沿う対応がなされたものとして、令和8年1月15日、申入れを終了した。

当該裁判の主たる争点

-

参考資料

-

判決日・事案終了日

令和8年1月15日

ステータス

終了

適格消費者団体

全国消費生活相談員協会

お問い合わせ先

03-5614-0543

その他

消費者庁公表資料

この事案の経過